近視進行抑制
近視進行抑制
眼の長さ(眼軸長)の伸びを抑えることで、ある程度近視の進行を予防することが可能です。近視の進行予防として効果があるものとしては、低濃度アトロピン点眼薬(リジュセアミニ®)と眼鏡装用によるものがあります。学校健診などで視力の低下が指摘され、ご心配な方はご相談ください。

目は角膜と水晶体で光を屈折させ、網膜の上にピントを合わせることで、物をはっきりと認識します。しかし、近視は網膜より手前でピントが合ってしまうため、近くの物は見えるのですが、遠くの物が見えにくい状態です。
近視は主に学齢期(小学生~高校生)に進行しやすいとされています。多くの場合、体の成長に伴って、眼球の長さである眼軸長が伸びることが関係しています。
近視の原因には、遺伝的要因と環境的要因がそれぞれ関与していると考えられています。近年増加している子どもの近視には、環境的要因が大きく影響しているとも言われています。
遺伝的要因とは、先祖や親から受け継いだ遺伝子が原因で近視になってしまうことです。
両親が近視ではない子どもに比べると、片親が近視である子どもが近視を発症するリスクは2.17倍、両親が近視の場合では5.4倍と言われています。
近くのものを見る習慣が続くと、目の毛様体筋が過度に緊張して水晶体の屈折力が強くなり、近視になりやすくなります。
以前はそうした近くのものを見る作業として、読書のし過ぎなどが指摘されていましたが、近年はパソコンやスマートフォン、タブレット端末、ゲーム機など、日常的に長時間に渡って電子デバイスを使用する環境が主な原因の1つとして考えられています。
室内照明の下で過ごすよりも、曇りの日や日陰に関わらず屋外で過ごす時間が長い方が、明るい光が目の網膜に到達しやすくなります。すると網膜内で、光誘導性ドーパミンと言う物質が発生します。これによって近視になりにくいと考えられています。そのため外で遊ぶなどの屋外活動が少ないことも、近視の原因であるとされています。

リジュセアミニ®は、近視の進行抑制を効能・効果としていて、参天製薬とシンガポールアイリサーチインスティテュート(眼科領域および視力研究を目的としたシンガポールの国立研究所)により共同開発された低濃度アトロピン点眼薬です。今まで子どもの近視の進行を抑制する点眼として、マイオピン®0.01%と0.025%が国内では流通していましたが、参天製薬が開発したリジュセアミニ®はアトロピン濃度が高い0.025%を採用しています。
3年間の使用で近視の進行を軽減させるデータが参天製薬の臨床試験からわかっていて、5歳から15歳くらいまで長期の使用が想定されます。点眼薬に入っている防腐剤は短期なら問題になりませんが、何年にもわたる長期使用の場合は角膜に影響を及ぼす可能性があり、このリスクを考慮してリジュセアミニ®は防腐剤フリーになっているのが優れた特徴です。
低濃度アトロピン点眼薬の副作用は、アトロピンの散瞳効果と調節麻痺効果によるしまぶしさ(羞明)と手元のぼやけがありますので、必ず就寝前に点眼するようにしてください。しかし、濃度が低いため程度は軽く、長時間続かないため、寝る前に使用すれば日中への影響はほとんどありません。
2026年6月より選定療養となりましたため、初回診察・定期検査は保険診療となります。
リジュセアミニ®の処方は自費診療となります。
| リジュセアミニ® (1回使い切りタイプの点眼) |
4,600円(税込) 【30本/1ヵ月分】 |
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ミヨスマートは、HOYA株式会社が提供する、特殊な構造を持つ小児の近視用メガネレンズです。
遠くを見やすくする一般的なメガネの役割に加えて、成長期における近視の進行を抑えることを目的として使用されます。
コンタクトレンズではなくメガネタイプのため、これまでメガネを使用していたお子さまにも取り入れやすいことが特徴です。通常のメガネレンズと見た目が大きく変わらず、普段の学校生活や日常生活で装用できます。
ミヨスマートの購入には医師による眼鏡処方箋が必要ですので、当院で調節麻痺剤を用いた屈折検査を行い、処方箋を発行いたします。そちらを眼鏡屋さんにお持ちいただき眼鏡を作製するという流れです。調節麻痺剤により2日程度はまぶしくなったり、ピントが合いづらくなります。

ミヨスマートのレンズの中央部分では、一般的なメガネと同様に近視を矯正し、遠くを見やすくします。
その周囲は、+3.50Dの小さなレンズを多数配置したDIMS(Defocus Incorporated Multiple Segments)という特殊な光学設計となっています。これにより、網膜周辺ではピントを手前にずらすこと(近視性デフォーカス)で眼軸が伸びにくい環境を整え、近視の進行を抑制する仕組みです。
お風呂に入る時や寝る時など以外はミヨスマートをして、出来るだけ終日装用した方が効果的です。
また、近視が進行して眼鏡が合わなくなっていないか、年1回の調節麻痺剤を用いた屈折検査が必要になります。